今の時代、新しい歯科医院を探すとき、多くの人が口コミやレビューを参考にしています。良い口コミは新しい患者さんを呼び込み、今来院してくれている患者さんの「ここに通い続けたい」という気持ちを強くする、とても大切な要素なんです。
でも、「どうやったら自然に口コミを増やせるんだろう?」「患者さんに嫌な思いをさせずに、本音のレビューを書いてもらうには?」と悩んでいる院長先生やマーケティング担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、患者さんの気持ちを理解し、自然な形で良い口コミやレビューを増やすための具体的な方法を徹底解説します。
- 口コミをお願いするタイミングや言い回し
- 患者さんがレビューを書きやすくなるための準備
- 集まった口コミへの返信の仕方
など、明日からの医院運営にすぐに役立つヒントが満載です。ぜひ最後まで読んで、あなたの歯科医院の評判アップに役立ててください。
なぜ今、歯科医院にとって口コミ・レビューがこれほど重要なのか?
昔、歯科医院を選ぶとき、私たちは家族や友人の紹介、あるいは街で見かける看板やチラシを頼りにしていました。しかし、今は違います。インターネットとスマートフォンの普及により、誰もが指先一つで簡単に情報を探し、比較検討できる時代になりました。
特に歯科治療は、専門的な内容が多く、費用や痛みに対する不安を感じやすいものです。だからこそ、実際に治療を受けた患者さんの「生の声」である口コミやレビューは、他のどんな広告よりも信頼できる情報として、医院選びの大きな決め手になります。
患者さんが歯科医院を選ぶプロセス
消費者の購買行動を示す「AISAS(アイサス)モデル」をご存知でしょうか?これは「注意(Attention)→関心(Interest)→検索(Search)→行動(Action)→共有(Share)」という流れを表しています。
歯科医院探しも、このサイクルと一緒です。
- まず、患者さんは医院の存在を知り(Attention)。
- 次に、少し興味を持ち(Interest)。
- そして、インターネットで検索します(Search)。この「検索」の段階で、口コミやレビューが非常に重視されるんです。
- 実際に治療を受けて満足すれば、今度は自分が口コミを「共有」します(Share)。
この良いサイクルが、新しい患者さんを呼び込むための好循環を生み出します。
良い口コミがもたらす4つの効果
つまり、質の高い口コミやレビューは、あなたの歯科医院にこんなメリットをもたらします。
- 新しい患者さんが来院しやすくなる: 第三者からの客観的な評価は、迷っている患者さんの来院を後押しします。
- 医院の信頼性が高まる: ポジティブな声は、医院の技術力やスタッフの対応の良さを裏付けてくれます。
- 既存患者さんの満足度と再来院率アップ: 「自分が選んだ医院は良い」という評価を見ることで、患者さんは安心し、満足度が高まります。
- 検索順位が上がる: Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)などの口コミは、Google検索やGoogleマップでの表示順位にも影響すると言われています。
このように、口コミやレビューは、今の歯科医院経営において、新しい患者さんを呼び込むだけでなく、医院のブランド力を高める上でも、非常に重要な役割を担っているのです。
口コミ・レビューがなかなか増えない歯科医院の共通点
「患者さんには喜んでもらっているはずなのに、どうして口コミが増えないんだろう?」そう感じている歯科医院様もいらっしゃるかもしれませんね。実は、口コミやレビューが増えにくい背景には、いくつかの共通した理由が考えられます。
口コミが増えない主な原因
- お願いするタイミングが合っていない: 治療の不安が大きい時や、お会計でバタバタしている時など、患者さんが心に余裕がないタイミングでお願いしても、なかなか快く引き受けてはもらえません。
- お願いの仕方が押し付けがましい: 「口コミを書いてください!」と一方的にお願いしたり、半ば強制するような印象を与えたりすると、患者さんはプレッシャーを感じてしまいます。あくまで**「もしよろしければ」という気持ち**が大切です。
- そもそも患者さんの満足度が低い(根本的な問題): これが一番大切なポイントです。どんなにお願いの仕方を工夫しても、提供している治療やスタッフの対応に患者さんが満足していなければ、良い口コミは集まりません。それどころか、不満の声が投稿されてしまうリスクもあります。
- 患者さんが口コミを書くメリットを感じない: 「わざわざ時間を割いて口コミを書く理由が分からない」と患者さん自身が感じてしまうと、行動にはつながりません。
- 口コミ投稿のハードルが高い: どのサイトに書けばいいのか、どうやって書けばいいのか分からない、あるいは手順が面倒だと感じさせてしまうと、書こうと思っても途中で諦めてしまいます。
- ネガティブな口コミが怖い: 「もし悪いことを書かれたらどうしよう…」という不安から、医院側が口コミのお願いに消極的になってしまうケースもあります。
これらの原因を一つずつ理解し、改善していくことが、自然な形で良い口コミを増やすための最初のステップになります。
患者さんの「本音」を引き出すための重要な下準備
患者さんに「この歯科医院の口コミを書きたい!」と自然に思ってもらうためには、口コミをお願いするテクニックよりも、まず「そう思ってもらえる環境づくり」と「患者さんとの良い関係づくり」が何よりも大切です。
大前提:質の高い治療と心温まるおもてなし
これがすべての基本です。患者さんは、安全で質の高い治療を受けられることを期待して来院します。
- 確かな技術力: 診断の正確さ、痛みの少ない治療、見た目の美しさなど、歯科医師や歯科衛生士が常に技術を高める努力は欠かせません。
- 丁寧な説明と同意: 治療内容、期間、費用、良い点・悪い点などを、専門用語を使わずに分かりやすく説明し、患者さんが納得した上で同意を得るプロセスを徹底しましょう。患者さんの疑問や不安に真剣に耳を傾けることも大切です。
- 安心感の提供: 歯科治療に緊張や不安を感じる患者さんの気持ちに寄り添い、リラックスできるような声かけや対応を心がけることで、安心感を与えられます。
- 心地よい院内環境: 清潔感はもちろん、待合室の雰囲気、BGM、香り、アメニティなど、患者さんが快適に過ごせるような細やかな配慮も重要です。
- スタッフ全員の接遇レベル向上: 受付の対応、歯科助手や歯科衛生士の言葉遣いや態度など、医院全体の「おもてなし」の質が患者さんの満足度に大きく影響します。定期的な研修などで、接遇スキルを高めていきましょう。
これらが満たされて初めて、患者さんは「この医院に来てよかった」「他の人にも勧めたい」と感じるようになるのです。
「口コミを書いてもらいやすい関係性」を築く
患者さんに「この先生のためなら」「この医院のためなら」と、応援したい気持ちで口コミを書いてもらえるような、良い関係性を築くことが大切です。
- 積極的なコミュニケーション: 治療の話だけでなく、患者さんの趣味や日々の出来事に関するちょっとした会話を交わすことで、親近感が生まれます。「〇〇さん、前回の治療後、痛みはいかがでしたか?」「最近、暑い日が続きますがお変わりないですか?」といった患者さんを気遣う一言が、心の距離を縮めます。
- 患者さんの不安や疑問を解消するカウンセリング: 治療の前後のカウンセリングを通じて、患者さんの不安や疑問を丁寧に解消し、信頼関係を深めます。特に初診時や治療計画を説明する際は、時間をかけてじっくり話すことが大切です。
- 定期的な情報提供: 医院のニュースレター(紙・メール)、公式ウェブサイトのブログ、SNSなどを通じて、お口の健康に役立つ情報や医院の取り組みを発信することで、患者さんとの継続的なつながりを持ち、親近感を育みます。
患者さん一人ひとりと真剣に向き合い、信頼関係を築くことが、結果的に「応援したい」という気持ちを引き出し、質の良い口コミへとつながっていくでしょう。
口コミ・レビューを「自然に」増やすお願いの絶妙なタイミング
患者さんに口コミをお願いする際、「いつお願いするか」は非常に重要です。タイミングを間違えると、かえって患者さんに不快感を与えてしまう可能性があるので注意しましょう。
ベストなタイミングを見極めるヒント
患者さんがポジティブな気持ちで「書いてもいいよ」と思ってくれるのは、以下のような時です。
- 治療の成果を実感し、喜んでいる時:
- たとえば、ホワイトニングで歯が白くなった直後や、矯正治療が終わってきれいな歯並びになった時。長年悩んでいた痛みがなくなり、「これで美味しいものが食べられます!」といった喜びの声が聞かれたら、まさに絶好のチャンスです。
- 定期検診で良い結果を伝え、安心してもらえた時:
- 「〇〇さん、今回も虫歯はありませんでしたね!日頃のケアが素晴らしいです!」など、褒め言葉とともに良好な口腔状態を伝えた後。安心感と満足感から、協力的な気持ちになりやすいでしょう。
- 患者さんから感謝の言葉を直接いただいた時:
- 「先生のおかげです」「丁寧に説明してくれてありがとうございます」といった言葉を患者さんから直接いただいた時は、最高のチャンスです。感謝の気持ちが高まっているため、口コミのお願いもスムーズに受け入れてもらいやすくなります。
- 治療計画に納得し、前向きな気持ちになっている時:
- カウンセリングを通じて治療計画に納得し、今後の治療に期待感を持っている時も良いタイミングです。
- 特定のスタッフの対応に感動・満足してくれた時:
- 「受付の方の対応が素晴らしかった」「衛生士さんの説明が分かりやすかった」など、特定のスタッフの対応に満足を示された場合は、そのスタッフからお願いすると効果が期待できます。
避けるべきタイミング
逆に、以下のようなタイミングで口コミをお願いするのは避けましょう。
- 治療に不満や不安がある可能性のある時: 治療直後でまだ効果を実感できていない、痛みや不快感が残っている場合など。
- 会計時など、患者さんが忙しい時: 時間的にも精神的にも余裕がないため、「面倒だな」と感じさせてしまう可能性があります。
- 初診時など、まだ信頼関係が十分にできていない時: 唐突な印象を与え、警戒されてしまうかもしれません。
- ネガティブな話題が出た直後: 治療のデメリットやリスクについて説明した後など。
- 待合室が混雑していて、他の患者さんの目が気になる時: プライベートなお願いは、落ち着いた環境で行うのが基本です。
患者さんの表情や会話の流れをよく見て、「今なら気持ちよく協力してくれそうだ」というタイミングを見極めることが成功の鍵です。
【実践編】口コミ・レビューを増やす具体的なお願いの仕方と言葉選び
タイミングを見計らったら、いよいよ実践です。患者さんにプレッシャーを与えず、自然な形で協力してもらうための具体的な方法と、声かけの例を見ていきましょう。
誰がお願いするのが効果的?
医院の様々な立場の人がお願いできますが、大切なのは「その患者さんと最も良い関係を築けているスタッフ」がお願いすることです。
- 院長・担当歯科医師: 治療の責任者として、治療の成果や患者さんの満足度を直接伺い、その流れでお願いするのが自然です。特に、難しい治療がうまくいった時などは、患者さんと喜びを分かち合いながらお願いすると効果的です。
- 歯科衛生士: 定期検診やクリーニングなどで患者さんと継続的に接する機会が多く、信頼関係を築きやすい立場です。日頃のケアのアドバイスや患者さんの努力を褒めつつ、その流れで口コミをお願いするとスムーズでしょう。
- 受付スタッフ: お会計や次回の予約を取る際など、患者さんが最後に接する場面です。明るい笑顔と感謝の言葉と共に、さりげなくお願いするのがポイントです。
日頃のコミュニケーションの中で、どのスタッフがその患者さんと親しいかを見極めて、連携してお願いすると良いでしょう。
直接お願いする時のトークスクリプト例
直接お声がけする際は、まず感謝の気持ちを伝え、あくまで「もしよろしければ」という低姿勢を心がけることが大切です。
感謝を前面に出すパターン: 「〇〇様、本日はありがとうございました。治療(クリーニング)後の調子はいかがでしょうか?(患者さんの返答を待つ) もしよろしければ、今後の治療の参考にさせていただきたく、また、他の患者様が安心して当院を選んでいただけるよう、当院の雰囲気や治療のご感想などをGoogleマップや〇〇(口コミサイト名)にお寄せいただけると、私たちスタッフ一同、大変励みになります。」
ポジティブな点を具体的に褒めてからお願いするパターン: 「〇〇様、今日のクリーニングで歯が本当にツルツルになりましたね!笑顔が一段と素敵です。もしよろしければ、その実感や、当院の対応で何かお気づきの点などがございましたら、率直なご感想を口コミサイトなどで教えていただけると嬉しいです。今後のサービス向上の参考にさせていただきます。」
「お願い」ではなく「ご協力」というニュアンスで: 「もしお時間のある時で結構ですので、当院の口コミにご協力いただけませんでしょうか?〇〇様の正直な声が、これから歯科医院を探される方の貴重な情報になります。」
プレッシャーを与えない「魔法の言葉」:
- 「お時間のある時で結構ですので」
- 「もし気が向きましたら」
- 「ご無理のない範囲で」
- 「あくまで、もしよろしければ、のお話なのですが…」
ポイント:
- 笑顔で、明るく、ハキハキと話す。
- 早口にならず、落ち着いたトーンで。
- 口コミを書くことのメリットも伝える(例:「〇〇様の声が、同じように悩んでいる方の助けになります」)。
- どのサイトに投稿してほしいか具体的に伝える(例:Googleマップ、特定の口コミサイト名など)。
- 投稿方法が分からない患者さんには、簡単な手順を口頭で説明したり、説明が書かれたカードを渡したりする配慮も有効です。
間接的にお願いする方法(院内掲示、ツール活用)
直接お願いするのが難しい場合や、より多くの患者さんにアプローチしたい場合は、間接的な方法も効果的です。
- 院内ポップ・チラシの作成・掲示:
- 内容:「患者様の声をお聞かせください!」「あなたの声が私たちの力になります」といったキャッチコピーを入れましょう。Googleマップや主要な口コミサイトの名前と、そこに直接アクセスできるQRコードを大きく掲載します。可能であれば、実際に寄せられた良い口コミの一部を匿名で紹介し、投稿のイメージを伝えるのも良いでしょう。投稿方法の簡単なステップも記載します。
- 設置場所: 待合室の目立つ場所、受付カウンター、パウダールームなど。
- デザイン: 清潔感があり、親しみやすいデザインを心がけてください。
- 診察券やリーフレットへの記載: 診察券の裏面や、医院紹介リーフレットの片隅に、口コミサイトへのQRコードと「ご感想をお待ちしております」といった一言メッセージを記載します。常に患者さんの目に触れるものなので、じわじわと効果を発揮する可能性があります。
- 受付での声かけとカードの手渡し: お会計時や次回の予約を取った後などに、「本日はありがとうございました。もしよろしければ、本日のご感想など口コミサイトにご投稿いただけると幸いです。こちらにQRコード付きのカードもご用意しておりますので、お時間のある際にご覧ください」と、小さなカードを手渡します。カードには、主要な口コミサイトのQRコード、簡単な投稿手順、「皆様の声が私たちの励みです」といったメッセージを記載しましょう。
- サンキューレター/メール/LINEでの依頼: 治療が一段落した後や、定期検診後に、感謝のメッセージと共に口コミ投稿用リンクを送付します。
メール/LINE例文: 件名:【〇〇歯科】先日はご来院ありがとうございました
〇〇様
先日はご来院いただき、誠にありがとうございました。その後の経過はいかがでしょうか。
もしよろしければ、当院の治療や対応につきまして、お気づきの点や率直なご感想を下記よりお聞かせいただけますと幸いです。〇〇様からいただく貴重なご意見は、今後のサービス改善の大切な参考にさせていただきます。
▼Googleマップで口コミを投稿する [Googleマップの口コミ投稿ページの短縮URL]
▼〇〇(その他口コミサイト名)で口コミを投稿する [口コミサイトの投稿ページの短縮URL]
お忙しいところ恐縮ですが、ご協力いただけますと大変嬉しいです。今後とも〇〇歯科をどうぞよろしくお願いいたします。
医療法人〇〇会 〇〇歯科 院長 〇〇 〇〇 [医院住所・電話番号・ウェブサイトURL]
- ホームページやSNSでの呼びかけ: 医院の公式ウェブサイトに「患者様の声」という専用ページを設け、そこに口コミサイトへのリンクを設置します。集まった口コミ(許可を得て)を「患者様の声」ページやSNSで紹介し、他の患者さんにも口コミ投稿を促すのも良いでしょう。SNSの投稿で、「#〇〇歯科の口コミ」「#〇〇歯科体験談」のようなハッシュタグ利用を促すのも有効です。
クラウド予約台帳HanaviではThank youメールを自動で配信することが可能です。各医院様事にカスタマイズしたメッセージをお客様に届けることができるので、自然な形で患者様にアンケートをお願いすることができます。
インセンティブ(謝礼)に関する注意点
「口コミを書いてくれたら〇〇をプレゼント」といったインセンティブの提供は、一見効果的に見えますが、慎重な判断が必要です。
- 医療広告ガイドライン: 誇大な広告や、患者さんを不当に誘い込む行為は禁じられています。口コミ投稿に対する直接的な金品や割引などの提供は、このガイドラインに違反する可能性が高いです。
- 景品表示法: 提供する景品が高額な場合、景品表示法に違反する恐れもあります。
- 口コミの信頼性低下: インセンティブ目当ての口コミが増えると、情報の信頼性が損なわれ、かえって医院の評判を落とすことにもなりかねません。
基本的には、インセンティブに頼らず、患者さんの善意と自発的な協力によって口コミを集めるのが王道です。医院のサービス向上への真摯な姿勢と、患者さんへの感謝の気持ちを伝えることが、最も自然で質の高い口コミにつながるでしょう。
集まった口コミ・レビューへの誠実な対応方法
口コミは集めて終わりではありません。寄せられた声に真摯に対応することで、患者さんとの信頼関係をさらに深め、医院の評価を高めることができます。
ポジティブな口コミへの対応
- 感謝のコメントを必ず返信する(公開されている場合):
- Googleビジネスプロフィールなど、返信機能があるサイトでは、投稿から数日以内に感謝のコメントを返しましょう。
- 定型文ではなく、口コミの内容に触れた個別メッセージを心がけると、患者さんは「ちゃんと読んでくれている」と感じ、喜びが増します。
- 例:「〇〇様、この度は温かい口コミをお寄せいただき、誠にありがとうございます。スタッフ一同、大変嬉しく拝読いたしました。『説明が丁寧で安心できた』とのお言葉、何よりの励みになります。今後も〇〇様にご満足いただけるよう努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。」
- 院内で共有し、スタッフのモチベーション向上に繋げる:
- 良い口コミは、朝礼やミーティングでスタッフ全員に共有しましょう。具体的な褒め言葉は、スタッフのモチベーションを高め、日々の業務への意欲向上に繋がります。
- 許可を得て、ホームページや院内掲示で紹介する:
- 患者さんの許可を得た上で、ウェブサイトの「患者様の声」ページや院内ポップなどで紹介することで、他の患者さんへのアピールにもなります。
ネガティブな口コミへの対応
ネガティブな口コミは、目を背けたくなるかもしれませんが、医院の改善点を発見する貴重な機会と捉えることが重要です。
- 真摯に受け止め、冷静に対応する:
- 感情的にならず、まずは事実確認を行います。誤解がある場合は、丁寧に説明する必要があります。
- 医院側に非がある場合は、素直に謝罪し、具体的な改善策を提示することが信頼回復に繋がります。
- 丁寧な返信を心がける(公開されている場合):
- 返信例(改善点を認める場合): 「〇〇様、この度はご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございませんでした。ご指摘いただいた〇〇(例:待ち時間、説明不足など)につきまして、スタッフ間で共有し、改善に努めてまいります。貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。」
- 返信例(誤解がある場合): 「〇〇様、この度はご期待に沿えず、申し訳ございませんでした。〇〇(指摘内容)につきまして、当院の認識では〇〇という状況でございましたが、〇〇様へのご説明が不足しておりましたこと、深くお詫び申し上げます。今後はより丁寧なご説明を心がけてまいります。」
- 他の患者さんもそのやり取りを見ていることを意識し、誠実で建設的な対応を心がけましょう。
- 削除依頼は慎重に:
- 明らかに事実無根の誹謗中傷や、プライバシー侵害にあたる内容であれば、サイト運営者に削除依頼を検討できます。しかし、単に医院にとって都合の悪い内容であるというだけでは、削除は難しいことが多いです。真摯に対応する姿勢を見せることが、結果的に信頼に繋がります。
口コミを医院の成長に繋げるPDCAサイクル
- Plan(計画): 口コミ収集の目標設定、具体的なお願い方法の計画。
- Do(実行): 計画に基づいた口コミ収集活動の実践。
- Check(評価): 定期的に集まった口コミの内容(ポジティブ・ネガティブ共に)を分析し、患者さんの満足点や不満点、要望を把握する。
- Action(改善): 分析結果に基づいて、医療サービスの質、接遇、院内環境、情報提供の方法などを改善する。
このPDCAサイクルを回し続けることで、口コミを医院の継続的な成長とサービス向上に活かすことができます。
まとめ:口コミ・レビューは医院と患者さんの大切なコミュニケーションチャネル
患者さんの本音を引き出し、自然な形で口コミ・レビューを増やすためには、小手先のテクニックだけでは不十分です。何よりもまず、質の高い医療と心温まるホスピタリティを提供し、患者さんとの間に良好な信頼関係を築くことが全ての土台となります。
その上で、患者さんの気持ちに寄り添ったタイミングと方法で、丁寧にお願いの言葉を伝えることが重要です。そして、寄せられた貴重な声の一つひとつに真摯に耳を傾け、誠実に対応する姿勢こそが、さらなる信頼を生み、医院の持続的な発展へと繋がっていくのです。
口コミ・レビューは、単なる評価ではなく、医院と患者さんを繋ぐ大切なコミュニケーションチャネルです。一朝一夕に効果が出るものではありませんが、本記事でご紹介した内容を参考に、地道な取り組みを継続することで、必ずや貴院の力強い味方となってくれるでしょう。